• リハビリ専門職の目線でプロレスを語ります

いよいよ2冠に向けて1.4でジェイ・ホワイトとのタイトルマッチを迎える訳ですが、12月の後楽園ホールでは左大腿に今まで見たことがないくらいガッチリとテーピングを巻いていました。

直前インタビューによるとワールドタッグリーグで起こした肉離れの予防とのことでしたが、果たして東京ドームはベストコンディションで挑めるのでしょうか。

内藤の歴史は怪我との戦いでもある

Wikipediaによると2002年の新日本プロレス入門前に前十字靭帯損傷を受傷し靭帯の再建術を行い、更に2012年のG1で再び同じ怪我を受傷して2回目の再建術を行っています。

赤丸で囲った前方部分が前十字靭帯です

前十字靭帯損傷はスポーツ選手にとっては非常に大変な疾患です。主に飛び上がって着地した時や、走っていて急に走り出した時に受傷しやすいです。

スポーツ復帰する場合は主に靭帯の再建術が選択されますが、リハビリの期間は約8ヶ月程度になり長期欠場は免れないので、プロレスラーでは保存療法を選択する選手もいます。

靭帯の再建には膝蓋腱(膝のお皿の下にある腱)やハムストリングスの腱を使い、100%元の状態に戻る訳ではなく競技レベルが高いほど再断裂の可能性も高くなります。

2012年G1でのvsルーシュ戦で、ジャーマンスープレックスを着地した際に古傷の右膝に前方への引き出し力が思い切り掛かってしまい、これがきっかけで受傷しています。この時に、半月板損傷、内側側副靭帯損傷、外側側副靭帯損傷も受傷したとのことでした。

関節の変形は不可逆的なものである

一昨年NHKの「プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」に出演していましたが、気になったのは月に1回膝の水を抜いているという場面でした。その時は左膝の水を抜いていました。

関節の水は正式には「関節水症」と呼び、主に関節の変形に伴って滑膜が炎症を起こし、滑液(=関節液)が溜まった状態のことを言います。

水色の部分が滑液です

関節の水を抜くと癖になるという方がいますが、滑液が溜まり炎症が慢性化すると膝の変形が進行するため、膝の水は放置せず抜いた方が良いと考えられています。

2013年の復帰前も時々右膝にテーピングをしていた内藤ですが、2回も手術した右膝をかばって左膝への負担が大きくなったのか、2017年のG1以降はとうとう左膝にもテーピングをするようになっていました。

膝の水を抜かないといけない状況になっていますから、もしかしたら棚橋と同じように変形性膝関節症になっているのかもしれません。

いつまでトップ戦線にいられるのか分からないけど

内藤の場合は棚橋や膝の手術をした武藤のように、スタイルチェンジをしてインサイドワークで戦うというような器用なことが出来る選手ではないと思います。

また、誰とでも噛み合う試合をするというよりは、自分の得意なムーブを一通り見せてデスティーノで決めるという印象です。

昔に比べれば明らかに飛び跳ねるムーブも減っています。一方で現在はロスインゴ結成当初で見せたのらりくらりファイトを引っ張らず、試合中盤以降はガムシャラなファイトを見せるようにもなりました。個人的には今の方が好きです。

冷遇時代があっても腐らずトップ戦線まで上り詰めたのですから、ここまで来たら2冠を達成して欲しいと思います。