• リハビリ専門職の目線でプロレスを語ります

1.4 東京ドームでスターダム提供試合が組まれていますが、岩谷選手のツイッターで気になる投稿がありました。

ということで、今回は腱板断裂について触れてみたいと思います。

そもそも腱板とは何なのか

まずは腱板の説明です。腱板とは肩関節を構成するインナーマッスルの総称であり、棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋の4つで構成されています。

これら4つの筋肉は上腕骨を肩甲骨側に引きつけ、肩関節を安定させる作用があります。それぞれの筋の作用を示すと以下のようになります。

・棘上筋 → 肩の外転

・棘下筋、小円筋 → 肩の外旋

・肩甲下筋 → 肩の内旋

腱板断裂とは何か

断裂の原因は加齢による腱の変性、外傷による怪我、野球の投球動作の繰り返すことによるオーバーユースなどが挙げられます。特に棘上筋が最も断裂しやすくなっています。

赤丸で示した部分が特に断裂しやすい部分になります

今回の怪我は、2019.11.4 ビー・プレストリー戦で雪崩式フランケンシュタイナーを失敗し、右肩から落下したのが原因と思われます。下手をすると頸椎骨折や頸髄損傷のリスクもあるような落ち方でした。

流石にタイトルマッチでは肩に不安があったのか、2019.12.24 花月戦では右肩にテーピングをして試合をしていました。

腱板断裂は断裂の程度により、完全断裂と不全断裂に分けられます。また、断裂の大きさにより小断裂、中断裂、大断裂、広範囲断裂に分けられます。断裂していても腕が上がる場合もあれば、上がるけど痛みを伴ったり、ほとんど上がらなくなってしまう場合もあり千差万別です。

断裂した腱は基本的に自然治癒することはなく、放置していると断裂が広がる可能性もあります。日常生活を送るレベルでは保存療法が選択される場合もありますが、スポーツ復帰を目的としている場合は手術が選択される場合が多いです。

手術をした場合は復帰までに約6ヶ月程はかかりますし、術後のリハビリは細心の注意を払って行う必要があります。

岩谷選手の場合は選手コール時のアピールで少なくとも90°以上は腕が上がっているので、軽微な不全断裂なのかもしれません。しかし、試合で相手を持ち上げる動作については今後目立った支障が出る可能性もあります。

正直な感想として

岩谷選手の身体能力が高いのは間違いないと思います。個人的にフィニッシュ技の2段式ドラゴンスープレックスのブリッジは美しいと思います。

しかし、現在は古傷の左膝の内側側副靱帯損傷の影響もあるのか、自分が得意とするムーブのミスが目立ちます。

花月選手のように土台がしっかりしている選手が相手だと、余計にミスが際立ってしまいます。観客が心配するような試合はダメです。

全体的に線が細いのも気になるところで、技のキレや正確性を高め怪我を防止し試合のクオリティを高めるためにも、個人的には花月選手くらいのバルクアップが必要だと思います。

女子プロ界のトップを走るというなら

2020年はスターダムが更に飛躍する年になると思いますが、ビジュアル一辺倒では絶対に粗が出ます。特に第1試合に出てくるような選手に関しては、受け身やボディスラム1つ取ってみても怪我をしないか非常に不安を感じます。

あくまでプロレスで勝負をして欲しいので、コーチに就任したミラノさんに期待しています。

1.4の東京ドーム参戦は賛否両論ありますが、今持てる力を存分に発揮して否定的な意見を覆して欲しいです。