• リハビリ専門職の目線でプロレスを語ります

先日の1.5で2冠を取った内藤を襲って一躍名を挙げたKENTAですが、「身体がヨボヨボ」という旨のツイートを数件見かけました。

筆者も全盛期に比べれば程遠いという内容を書きましたが、これにはKENTAの左肩の怪我が影響していそうです。

以前の記事では肩の骨折について取り上げたので、今回は肩の脱臼についてフォーカスしたいと思います。

肩関節の脱臼について

肩関節脱臼はラグビー・アメリカンフットボール・柔道といったコンタクトスポーツでよく見られる怪我であり、肩関節が外転・外旋、あるいは水平伸展が強制された場合に多く見られます。脱臼は骨頭が前方に外れる場合がほとんどです。

肩の外転+外旋
肩の水平伸展(水平外転)

脱臼の際に肩関節の靭帯損傷や関節唇(関節のクッション)損傷を合併することがあり、この場合は骨頭の前方への不安定性が増大します。

脱臼が癖になる場合もあり、この現象は正式には「反復性肩関節脱臼」と言います。通常では脱臼しないような状態で脱臼する場合は手術が適応となります。

手術は関節鏡で行う場合が多いため傷が目立たないことが多いのですが、KENTAの場合は受傷時に骨折を合併したとのことなので、手術の傷が大きくなっていると考えられます。

トレーニングへの影響

大胸筋を鍛えるためのベンチプレスやダンベルプレスは、肩の水平伸展を行う運動になります。ダンベルフライでは肩の外旋も入ります。重量物を持つことで骨頭の前方偏移がより増大し肩関節の不安定感が増すので、高重量で大胸筋を追い込むのは難しくなります。

ベンチプレスの最中に肩を脱臼する人もいます

怪我の影響で追い込んだトレーニングが満足に行えないため、全盛期に比べると遙かに大胸筋の衰えが顕著なのではないでしょうか。

一方で僧帽筋はしっかり発達しています。首〜肩関節の固定性を高めるため、僧帽筋をしっかり鍛えることで試合中に相手とコンタクトした際の肩関節の不安定感の軽減を図っているのだと思います。

過去は変えられないけど未来は変えられる(by常盤ソウゴ)

KENTAのツイートで過去に内藤と対峙した時の写真をアップしていましたが、緑のリングだった頃のノアが好きだった身としては、まさにこの頃のKENTAが見たかった訳です。特に丸藤と切磋琢磨していた頃が好きでした。

特定のトレーニングが満足に行えなかったり、対ヘビー用に増量している影響もあるかもしれませんが、大胸筋が垂れているのは見ていて悲しいものがあります。

個人的にノア時代の印象が非常に強いため、どうしても過去と比較してしまいます。せっかくトップ戦線に絡むなら可能な範囲で全盛期に近い見栄えのある身体を作って欲しいです。

ヒールとしての佇まいやマイクの巧さは新日でも群を抜いていると思います。本当に今年はKENTAの年になるかもしれません。内藤との2冠戦よりも、G1を楽しみにしています。