• リハビリ専門職の目線でプロレスを語ります

多くのプロレスファンに「いつまでテーピングしとんねん」といじられているヨシハシですが、ワールドタッグリーグでは肩の調子が良いのか、いつものテーピングをしている姿が見受けられません。

テーピングなしで完走出来ました。

いつからテーピングをしているのか気になったのですが、新日本プロレスワールドで確認した限りでは2013年12月23日のvs鈴木みのる戦が最初で、左肩にテーピングをしています。かなり前からテーピングをしているんですね。

ヨシハシのテーピングの効果

目的はズバリ「肩鎖関節を保護するためのテーピング」だと思われます。

肩鎖関節は鎖骨遠位端と肩甲骨の肩峰とをつなぐ平面的な関節です。 肩鎖関節の安定性は、肩鎖靱帯と烏口鎖骨靱帯によって守られていますが、靭帯の損傷の程度によっては鎖骨が上に跳ね上がってしまい、肩の安定性が失われます。

赤い丸で示した部分が肩鎖関節です

この部位の怪我はコンタクトスポーツ(ラグビーやアメリカンフットボールなど)の選手に多く、タックルの際に肩が相手と強く接触した時や、人との接触以外にも、転倒時に手を着いた際や直接肩が接触した際に受傷する可能性があります。

職場の同僚にお願いし、ヨシハシのテーピングを再現してみました。

初めてこのテーピングをしてもらいましたが、体感としては肩の屈曲・外転・外旋がしっかり制動されます。また、体幹の反対側への側屈もやや制限されるため、試合でのパフォーマンスを考慮して胸前部〜脇の下〜背中へのテープは外しているのだと思います。

なぜテーピングを外すようになったのか

あくまで予測ですが、カルマを使わなくなって肩への負担が減ったことが1番の要因だと思います。この技は主に左腕で相手を持ち上げなければならないのですが、肩鎖関節の不安定感があると、90度以上の肩屈曲動作で肩鎖関節に痛みが出たり、僧帽筋上部線維の機能が低下するため、相手を上まで持ち上げ切ることが出来ません。

赤丸で囲んだ部分が僧帽筋上部線維です。

2018.2.6のLIJ vs CHAOSの6人タッグでは、ジュニアヘビーであるBUSHI相手でもまともに持ち上げられず、危険な角度で落としていました。これでは、ヘビー戦線を戦っていくのは厳しいでしょう。

いつだかのEVIL戦ではきっちりカルマが決まっていましたが、これは持ち上げられるタイミングに合わせてEVILがしっかりジャンプをしていたからだと思われます。

ラリアットに迫力がないのも、肩へのダメージを考慮し置きに行ってしまい、腕を伸ばしただけのラリアットになっているのではないでしょうか。

これでいいのかヨシハシ

主観ですが、ヨシハシの上位互換は鷹木信悟だと思います。同型の技でMADE IN JAPANがありますが、オスプレイ相手にもしっかり持ち上げ溜めを作ってから技を決めています。これは今のヨシハシ選手には出来ないと思います。

程度によりますが、基本的に関節の怪我に完治はありません。去年のG1でエントリーされた際は、私も「エントリーする価値ないだろ!」とディスっていた側の人間でしたが、記事を書いてみて、こんな怪我でも試合に出場し続けるプロレスラーは改めて凄い職業だと思いました。

とはいえ、年齢や怪我を考慮すると、鷹木信悟のようなパワーファイトを真似るのは現実的ではありません。フィニッシュ技をバタフライロックに変えたのは、肩への負担を考慮して正解だと思います。蝶野正洋が使っていた頃のように、もっと絞り上げるような感じで決められないものでしょうか。

先日DDTに参戦したケニー・オメガから暗にバカにされていたヨシハシですが、少なくとも会社から期待されていた時期はあったはずです。スタイルチェンジを図ってぜひ、一花咲かせて欲しいと思います。