• リハビリ専門職の目線でプロレスを語ります

1.5で2冠を達成した内藤ですが、その前に膝が心配という記事を書きました。

私服で歩いている動画は殆ど見たことがありませんでしたが、今回アップされた1.4-5の裏側に迫る動画で内藤が歩いている姿を見ることが出来ました。

【NJPW】Beyond the legend〜1.4&1.5 WRESTLE KINGDOM 14 Documentary〜

やはり膝が悪そうなのが気になったので、今回は変形性膝関節症の人に特徴的な歩き方を紹介します。

膝の構造について

まず膝関節の構造ですが、今回は大腿骨と脛骨で構成される大腿脛骨関節について着目します。膝に付いている主な靭帯は、前十字靭帯後十字靭帯内側側副靱帯外側側副靱帯があります。機能は以下の通りです。

膝を前面から見た場合
膝を後面から見た場合

前十字靭帯:大腿骨に対して脛骨が前方に外れないようにする。膝の捻り動作の安定化も寄与する。内藤が断裂した靭帯である。

後十字靭帯:大腿骨に対して脛骨が後方に外れないようにする。膝の屈曲の誘導、膝が過剰に伸びきらないよう防止する。

内側側副靱帯:膝が外側に反らないよう制動している。岩谷麻優が損傷した靭帯である。

外側側副靱帯:膝が内側に反らないように制動している。

変形性膝関節症では主に前十字靭帯外側側副靱帯が緩みやすいと言われています。変形が進んでくると半月板や軟骨が擦り減ったり、変形に伴って出来た骨棘により膝の屈伸に制限が生じてきます。

日本人はO脚に変形する場合が多いのですが、内藤も例に漏れず徐々にO脚方向に変形してきているのが見て取れます。

歩き方の特徴と弊害

正常な歩き方においては踵から接地するのが普通ですが、膝の変形があると、膝を常に少し曲げた状態で歩くようになるため、足の裏全体でベタベタ足を着くような歩き方になります。

最も特徴的なのは「外側動揺(ラテラルスラスト)」という現象で、地面に足を接地する度に膝が外側にぶれます。これに伴って体幹も左右に揺れます。この現象は、今回の動画を見るとよく分かると思います。

【NJPW】Beyond the legend〜1.4&1.5 WRESTLE KINGDOM 14 Documentary〜21分35秒辺り

すると、常に膝の内側にストレスが生じます。膝の軟骨が擦り減ることで骨が壊死したり、滑膜の炎症が起きて水が溜まったり、筋肉の腱に炎症が起きたりします。

最近であれば、1.4 東京ドームでエル・サムライが入場してきた時の歩き方が最も分かりやすいと思います。また、膝の手術をする前の武藤敬司、近年の棚橋弘至も同じ歩き方になっています。

どうやって予防していくのか

上記の現象が出てきたからといっていきなり手術にはならず、まずは保存療法で様子を見ます。

この時に大事なのは膝関節の可動域の獲得や、内側広筋中臀筋といった膝の外側動揺を防ぐための筋肉を鍛えることです。

しかし、鍛えたからといって飛んだり跳ねたりすれば関節に負担が掛かることは間違いありませんし、変形は不可逆的に進行していくものです。自然に治ることはありません。

日常生活に支障が出るレベルで変形した場合、将来的には武藤敬司のように膝を人工関節に置換する必要があります。(人工関節にもデメリットがあるので、他の記事で書きたいと思います)

今を楽しみましょう

膝だけではなく目の状態も100%ではありませんし、あと何年IWGP戦線に絡む内藤が見られるのか、正直なところ長くはないと思います。

今の状態でスターダストプレスが決められたのは、天性の身体能力によるものではないでしょうか。まさにスターダスト「ジーニアス」ですね。

2冠を達成して、果たしてどんな景色をファンに見せてくれるのか。内藤に注目したいと思います。