• リハビリ専門職の目線でプロレスを語ります

新日マットに参戦してから「試合が塩っぽい」等、酷評の多いKENTAですが、昔のノアを観ていた身としては「確かに…」と思ってしまう面もあります。

改めてWWE時代の試合を見直すと、怪我をするまでは身体が仕上がってますし、躍動感のある動きをしています。

タッグリーグはKENTA劇場だけ面白かったです。

左肩の傷は何なのか?

WWE移籍後の2015年5月に肩の怪我をしたとのことで、その時の手術痕だと思われます。

https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201506030004-spnavi

上記の記事にあるインタビュー内容では「肩の脱臼をした時に骨が欠けた」との記載があります。職場の整形外科医に、骨が欠けたという部分に関して何が予想されるか聞いてみました。

○上腕骨大結節骨折

△骨性バンカート病変

△上腕骨近位端骨折

色々と可能性はあるが、傷の大きさや受傷機転を鑑みると「上腕骨大結節骨折」の可能性が高いのではないか?とのことでした。

赤丸で示した部分が大結節です

上腕骨大結節骨折は裂離骨折と衝突骨折に分類されます。特に衝突骨折は転倒した際など、地面に手や肘を着くと同時に肩関節が過外転+上方変位し、大結節が肩峰のエッジに衝突することで発生します。受傷時に腱板を損傷しやすいことも特徴です。

2016.8 復帰後のヒデオ・イタミ

インタビューで「腱を痛めたのを修復した」との記載もあるので、上腕骨大結節の衝突骨折と予想されます。また、手術後から左肘にサポーターを着けるようになったので、受傷時か手術時に上腕二頭筋長頭腱を痛めた可能性もあります。

受傷から復帰までに1年以上かかっているため、WWEのメディカルチェックが厳しいことを加味しても、リハビリにかなりの時間を費やしていると思います。感染症を起こしたとの情報もあったので、本当に大変だったと思います。

批判されないために必要なこと

ノアにいた頃のKENTAは、バキバキな身体で勢いに任せて試合を進めていた印象です。現在は対ヘビー級のために増量したこともあり、キレのある蹴りや躍動感のあるロープワークが見られません。

元々はジュニアの選手で背が高い方ではないですし、試合巧者という選手でもありません。鈴木みのるのように打ち合うタイプのレスラー相手の方が輝くので、相手が受ける選手だと試合がもっさりして見えます。身体を絞ってキレのある動きが取り戻せれば、評価も変わるのではないでしょうか。

また、新日に蹴り主体の選手は他にいないため、拳王や中嶋勝彦といったノアの選手の方が上手く噛み合うはずです。今年観戦したN-1 VICTORYの拳王vs中嶋を見て確信しました。WWE移籍前に中嶋とタイトルマッチをしていますが、今の中嶋との方が面白い試合をすると思います。

ノアに移籍して欲しいわけではありませんが、いつかこの2人とのマッチアップがみたいものです。